臨床研究

乳児用体動センサ ベビーアラーム

「乳幼児体動センサーにより早期に乳幼児突発性危急事態(ALTE)の発見および生存につながった一例」(日本小児突然死予防医学会 第31回学術集会 発表)

背景

乳幼児体動センサーは、眠っている赤ちゃんの微かな動き(主に呼吸に伴う胸の上下運動)を見守り、異常が検知された場合にアラームで知らせる機器です。
在宅モニターについては、これまで乳幼児突然死(SUDI)の予防効果は限定的とされてきた一方、近年では装着型センサーをはじめとする技術革新が進んでいます。
今回、家庭で使用していた乳幼児体動センサーの作動をきっかけに保護者が児の異変に気づき、早期の対応につながった症例が報告されました。

学会発表概要

【学会】
日本小児突然死予防医学会 第31回学術集会

【開催日】
2026年2月7日~8日

【会場】
東京医師会館

【演題】
「乳幼児体動センサーにより早期に乳幼児突発性危急事態(ALTE)の発見および生存につながった一例」

【発表】
東京都立多摩北部医療センター 小児科部長 小保内俊雅医師、東京都立小児総合医療センターの医師ら

症例概要

症例は、生後1か月の男児です。
自宅で就寝中、装着型の乳幼児体動センサー(ベビーアラーム E-202)が作動。保護者が確認したところ、無呼吸および意識レベルの低下が疑われる状態を認識しました。
保護者が直ちに背部叩打法を実施したところ呼吸が再開し、その後、救急要請が行われました。

経過

・乳幼児体動センサーが作動
・保護者が児の異変を認識
・背部叩打法を実施し、呼吸が再開
・センサー作動から約7分後に救急隊が到着
・約30分後に医療機関へ搬送
・初診時には顔色不良と軽度の活気低下を認め、血液検査で乳酸アシドーシスを確認
・入院後の経過観察により徐々に改善
・各種精査でも明確な原因は特定されず、その後再発なく退院

学会発表で示唆されたポイント

・在宅モニターは、これまで乳幼児突然死(SUDI)の予防効果が限定的とされてきた
・一方で、装着型センサーの登場など、在宅モニタリング技術は進歩している
・本症例では、適切な使用により睡眠中の異変を迅速に認識できた可能性がある
・在宅モニターについて、改めて有効性を検証する必要性がある

考察・まとめ

本症例は、乳幼児体動センサーの作動をきっかけとして、保護者が睡眠中の児の異変を早期に認識し、迅速な対応につながった一例として報告されました。
乳幼児を家庭で見守る中では、保護者が常に赤ちゃんの状態を確認し続けることには限界があります。本症例は、医療現場だけでなく、家庭における「早期の気づき」を支援する手段の一つとして、在宅モニタリング機器の可能性を改めて考える契機となる報告です。
今後も症例の蓄積と検証を重ね、在宅モニターの有効性について検討していくことが求められます。