健康情報

中耳炎HEALTHCARE

エムズクリニック白金 耳鼻咽喉科医 三塚 沙希 監修

鼻水ケアと病気の予防

赤ちゃんの健康を守るため、鼻水吸引の重要性について理解を深め、正しいケアを行ってほしいと私たちは考えます。ここでは、鼻水と病気の関係について耳鼻科医の三塚先生に教えていただきました。

鼻水ケアは健康や生活に深く影響

鼻水は赤ちゃんにとってよくある症状です。鼻水が続いていても、きちんとケアできていない場合もあるでしょう。しかし、鼻水は様々な病気を引き起こす可能性があり、放っておくと健康や生活に大きな影響を与えます。特に自分で鼻をかめない赤ちゃんは注意が必要です。

鼻水が誘発しやすい病気の一つには、中耳炎があります。これは、細菌やウイルスによって、鼓膜の奥にある「中耳」が炎症をおこす病気です。鼻と耳は耳管という管でつながっていて、ウィルスや細菌を含んだ鼻水が耳管へ流れ込み中耳に入ると、炎症を起こし中耳炎になってしまうことがあるのです。子どもの耳は耳管が太く水平のため、大人に比べて中耳へウイルスや細菌が侵入しやすい構造になっています。中耳炎は0~3歳までの間に約7割が罹患すると言われており、子どもにとても多い病気の一つです。

また副鼻腔炎(ふくびくうえん)も、鼻水を放置することで引き起こされます。これは副鼻腔にウイルスや細菌が入り、炎症を起こす病気です。主な症状は、ねばねばした黄色い鼻水が出たり、頭痛や発熱することが挙げられます

さらに注意したい鼻水の症状として、後鼻漏(こうびろう)があります。後鼻漏になると、粘り気のある鼻水が鼻の奥からのどにかけて流れます。そしてのどの痛みや痰などの症状を引き起こし、口呼吸になることでウイルスや細菌が体の中に入るリスクが高まります。また鼻で呼吸ができなくなることでミルクが飲めなくなったり、夜眠れなくなることもあります。

結果、体力の低下を引き起こし、風邪が長引くなど、赤ちゃんに様々な悪影響を及ぼします。「単なる鼻水」と放置せずに、こまめにケアすることが大切です。

家庭でこまめな鼻水ケアを

赤ちゃんは、3~4歳ごろまでは自分ではなをかむことができないため、お母さんが吸引器などを使って鼻水ケアをしてあげなければいけません。鼻水が原因となる様々な病気や影響を少しでもなくすため、家庭で適切に鼻水ケアをしてあげることが非常に重要です。

吸引するときのコツは、部屋の湿度を高めておくことです。お風呂上りや温かいものを食べさせた後のタイミングも、粘度の高い鼻水が取れやすくなるためおすすめです。蒸しタオルなどで鼻を温めたり、吸入器を使用してもよいでしょう。

また現在はいろいろな吸引器がありますが、口で吸う簡易な鼻吸い器や手動タイプの吸引器では、感染のリスクが高まったり、上手に吸うことができないことがあります。赤ちゃんの鼻水をスムーズにケアするためには、しっかりと吸引できる電動タイプの鼻水吸引器がおすすめです。

鼻水吸引のメリット

風邪の悪化防止
ウイルスや細菌を多く含む鼻水を、体の外に出してあげることで風邪の重症化や悪化を防ぎます
中耳炎・副鼻腔炎予防
鼻水が耳管へ流れ、中耳に入ることで病気が引き起こされます。
睡眠の質が向上・免疫力UP
夜ぐっすり眠るようになることで、成長ホルモンの分泌を活性化し免疫力を高める働きがあります
育児負担の軽減
感染リスクが低下し赤ちゃんのぐずりが減るため、育児負担の軽減につながります。

このように赤ちゃんの鼻水吸引は、お母さんと赤ちゃんにとって様々なメリットがあります。病院での鼻水吸引も大切ですが、家庭でのこまめなケアもとても重要であると考えます。耳鼻科医である私自身も、息子の鼻水ケアには家庭用の電動鼻水吸引器を使っており、風邪や中耳炎の予防に役立てています。

鼻水吸引の臨床研究が学会発表されました

浦島 崇 先生

第121回日本小児科学会学術集会

【学会発表】家庭用鼻吸引器の臨床的効果
浦島崇1.2、目澤秀俊1.3、梅田千里1.2、保科宙生1.2、井田博幸1
1. 東京慈恵会医科大学小児科、2.総合母子保健センター愛育病院、国立成育医療センター
結果
園児が3回以上夜間覚醒した日数は、介入群で日数が少なかった。鼻水の量、咳の頻度、発熱で調整すると、鼻水吸引群でオッズ比が0.85(95%信頼区間0.57 - 1.25)であった。しかし、調整変数は母親記載のためバイアスがある可能性がある。医療機関で去痰剤、気管支拡張剤、抗ヒスタミン剤いずれかを処方された回数は鼻汁吸引実施中に18回、鼻汁吸引非実施中は35回で、処方行動に群間差を認めた。

電動鼻水吸引器
メルシーポットS-504

耳鼻科レベルのパワフルな吸引力で、赤ちゃんの鼻水をスッキリケアできる家庭用電動鼻水吸引器。家庭でこまめに鼻水吸引をすることで、風邪の重症化や中耳炎の予防につながります。新しいモデルは静音設計になり、よりコンパクトになりました。

電動鼻水吸引器
ベビースマイル S-303

ハンディタイプの電動鼻水吸引器。キャップ付きで持ち運びやすく、外出先でも赤ちゃんを抱っこしながら片手で鼻水吸引ができます。製品は水洗いもできるため、いつても清潔に使用することができます。