子どもと新型コロナウイルス
新型コロナウイルスは、当初「子どもは感染しにくい」とされてきました。しかし、厚生労働省の2021年7月時点のまとめによると、10歳代の感染者はこれまでに9万人以上、全体の11%を占めるに至っています。
子どもが新型コロナウイルスに感染する場合、症状で診断されることはほとんどありません。家族や幼稚園・保育園の先生が感染したために濃厚接触者として検査を行ったことがきっかけで、陽性が発見される例がほとんどです。
子どもに現れる症状は
子どもが感染した場合多くは無症状、あるいは1日だけ38℃程度の熱が出ることがあります。乳幼児が新型コロナウイルス感染が原因で、肺炎にまで進行することは極めてまれです。重い症状に陥る例もわずかながら報告されていますが、10代以下の死亡者はほとんどありません。
デルタ株については、特に子どもが感染しやすいということはなく、全体の患者数が増える中でお子さんの患者数も増えていると考えられます。デルタ株が「現時点での子どもの重症化のリスクが高くなるというデータはない」とする見解が国内外の専門家からも示されています。
もし感染した場合
もし子どもに陽性反応が出た場合には、「ホテル療養」ができませんので、原則入院をすることになります。病院で隔離して家族や他の人に感染させないため、また悪化をしないか医療機関がチェックするために入院という処置がとられます。多くの場合は無症状のまま回復して退院されていきます。また、コロナの家庭内感染で親が入院して、濃厚接触者である子どもを保護するために入院させることも多いです。
子どもが感染源になるリスクについて
子ども同士で新型コロナウイルスを感染させることは、極めて稀であると言われています。基本的に手洗いやスクで感染予防を行い、学校や保育園・幼稚園等でも対策を講じているならば、子ども同士での感染のリスクは極めて低いと言えます。
新型コロナウイルスの子どもへの感染経路の7割以上は家庭内だと推定されます。大人が家庭内にウイルスを持ち込まないように、対策を行うことが子どもへの感染をさせないためにも非常に大事です。
オミクロン株と海外での状況
英国を始め海外では5-19歳の感染者数が多い状況です。これはワクチン接種を行っていない人数が多い世代だからと言われています。子どもが家庭内感染の感染源となっています。オミクロン株の流行も危惧されこの世代へのワクチン接種は感染流行に必要かもしれません。