「自宅での鼻水吸引が乳幼児のQOLと医療利用に及ぼす影響」(日本小児科学会2018年発表内容より)
背景・目的
小児科や耳鼻科では、鼻汁の吸引を目的にした受診が多く見られ、特に保育園児では「鼻づまり・咳」が登園の妨げとなり、親子のQOLを著しく低下させています。
また、鼻汁の停滞は中耳炎や副鼻腔炎の原因となるため、家庭で適切に鼻水を吸引することが重要と考えられています。
本研究は、家庭用電動鼻水吸引器「メルシーポット S-502」の使用が、夜間覚醒・処方内容・受診頻度に与える影響を検証するものです。
試験期間
2016年11月~2017年4月
研究概要
【研究デザイン】
Open-label Crossover試験(総観察日数1,688日)
【対象】
3か所の保育園に通う2歳未満の乳児15名
【期間・設定】
2週間単位で吸引あり/なしを交互に割り当て(最大7フェーズ)
【記録方法】
・母親による日誌記録(体温、咳、鼻水、夜間覚醒)
・処方薬内容は「お薬手帳」により確認
【評価項目】
夜間覚醒回数、鼻水量、咳の頻度、医療機関での処方内容
【研究責任者】
浦島 崇

研究責任者 浦島 崇先生
結果概要
【夜間覚醒(1晩3回以上)】
・鼻水吸引あり:有意に少ない(p=0.005)
・全体の覚醒回数差はわずかだが、「極端な覚醒」に対する抑制効果が示唆された。
【医療機関での処方内容】
・抗ヒスタミン薬、去痰剤、気管支拡張剤の処方回数:
- 吸引あり期間:18回
- 吸引なし期間:35回
・抗生剤の処方回数に差はなし
【受診回数】
- 吸引あり:20回
- 吸引なし:39回
考察・まとめ
家庭用鼻吸引器「メルシーポット」を用いた自宅での鼻水吸引は、乳幼児の極端な夜間覚醒を防ぎ、保護者の睡眠時間を確保するなど、家族全体のQOL向上に大きく貢献します。
さらに、医療機関での受診や処方回数の抑制を期待できることから、保護者のケア負担を軽減するだけでなく、医療資源の適正化にもつながります。